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賃貸マンションやアパートを自分で修理・改造したときの費用

借りているマンションやアパートなどが壊れたりした場合、原則としてその修理代は大家さんに負担する義務があります(民法606条)。もしとりあえず自分で支払った場合には、大家さんに対して請求ができるし(同608条)、大家さんが支払いに応じないときは、修理代分の家賃を払わずにおくこともできます。
 ただし、入居するときの契約で、借りた側の支払いであることが明記されていれば、借りている人が払わなければなりません。

また修理ではなく、そのままでも使えるのに、建物の価値を上げるような改造をした場合(たとえばトイレを温水洗浄便座に換えたりなど)には、その住宅を明け渡すとき(賃貸契約の終了)に、その時点での価値を計算して、残った価値分だけ請求できます(同196条2項)。改造した時期がだいぶ前で、すでに価値が失われている場合などもあるので、自分で良いように改造した分については、全額をもらうことは出来ません。
しかも、大家さんが支払うのは、改造にかかった費用と、明け渡しのときに残っている価値とを比較して、どちらか好きな方で払えばよい、ということなので、当然安い方で支払いを済ますことが出来ます。またその支払い時期も期限をつけて遅らせることが出来ます(同608条2項)。
改造の場合でも、修繕と同様、契約時に借りている人が支払うという約束事があればそれに従わないといけません。
 
修繕(または修理)と、改造(壊れてはいないけど良いものに換える)は区別されているので、賃貸契約時に契約書や特約事項をよく確認することが大事です。
 

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◇民法